- 大理石の色・種類が多くて分からない。どうやって選べばいいの?
- 人工大理石と天然大理石の違いってなに?
- 大理石はなぜ高いの?高価な理由ってなに?
大理石の内装・インテリアは高級感があって憧れる!
なんとなく大理石のイメージはあるけれど、種類や色がどれくらいあるか、あまり知られていませんよね。
できるだけ分かりやすく天然大理石について解説するので参考にしてください。
天然大理石を暮らしに取り入れることは、天然ならではの魅力があります。
- ツヤ・柄・輝きなどの美しさ
- 質感・重厚感から感じる高級感
- 同じ物は存在しない、一点もの個性
この記事では、インテリアコーディネーターである私が、大理石(天然大理石)の種類や建築・内装に採用した場合のメリット・デメリットなどをくわしく解説します。
この記事を読めば、大理石の採用について十分検討することができます!
大理石とは
美しい柄や光沢のある大理石は、ギリシャのパルテノン神殿、ローマのコロッセオ、インドのタージ・マハルなど古代から建築に使われてきた石材です。
大理石には白いもの以外にも赤・緑・黒などの色があり、宮殿の豪華な内装などにも使われてきた歴史があります。
現代では、鉄筋コンクリート技術が発展し、石材で建築構造物を造られることはほとんどなくなり、板材として装飾用に使用されたり、家具・インテリア小物に使用されるようになりました。
おすすめの天然大理石の家具・インテリア雑貨はこちら≫Marblestを参考にしてみてください。
天然大理石・人工大理石・人造大理石の違いとは
大理石には『天然大理石』『人造大理石』『人工大理石』の種類があります。
大理石(天然大理石) | ・天然大理石を加工したもの |
人造大理石 | ・粉砕した天然鉱石に樹脂・セメントなどをまぜて成形したもの ・合成樹脂を大理石のように成形したもの |
人工大理石 | ・合成樹脂を大理石のように成形したもの |
人工大理石・人造大理石の種類や違いは、人工大理石と人造大理石の違いについて解説!2022年保存版 でくわしく解説しています。
この記事では大理石(天然大理石)をくわしく解説していきます。
大理石の特徴
大理石とは
- 生物の遺骸や自然物が固まってできた岩がマグマの熱で再結晶化した美しい石灰岩
- その他の堆積岩・変成岩の美しい石を採石し、加工したもの
大理石とは、本来は、生物の遺骸や自然物の沈殿で形成された石灰岩がマグマの熱などで再結晶化した結晶性石灰岩のことですが、日本国内の建築・石材業界では、砂岩・蛇紋岩などを含む装飾性のある石を採石し、加工したものの総称を「大理石」とも言います。
大理石の生成には数億年単位の時間が必要で、生物・自然物の化石を残しているものも珍しくありません。
石灰岩からできる大理石の成分は炭酸カルシウムなので、酸性の雨にさらされると光沢がなくなり劣化・風化するため、屋内向きの石材です。
工場排煙・車の排ガスなどが酸性雨の原因となり、大理石を劣化させます。近代になって大理石への影響は大きくなっています。
天然石ならではの質感・重厚感・色合いなどは、ハイグレードな住宅やラグジュアリーな空間演出に好まれており、白・黒・赤・緑などの色や美しい柄などで、300種類を超える大理石があると言われています。
大理石と御影石の違い
キッチンカウンターにはミカゲ石がいいって聞いたけど、どんなもの?
御影石は、非常に丈夫な石材です。
古くから建材や墓石にも使用されています。
御影石とは、マグマがゆっくり冷却することによって形成される結晶質の深成岩の総称
御影石とは本来は花崗岩のことですが、日本国内の建築・石材業界では、高温のマグマが地下深部でゆっくり冷却されて形成した結晶質の深成岩の総称を『御影石』ともいいます。
- 御影石の特徴や産地
- 大理石と比較したメリット・デメリット
など、大理石と御影石について解説した記事はこちら≫大理石と御影石の違いとは?御影石の種類・特徴も解説!を参考にしてください。
大理石の欠点をカバーするワックス
天然大理石は屋外使用で劣化しますが、屋内で使用した場合も、穴・シミ・むら・斑点などの劣化がおこることがあります。
天然のものなので、木材と同じように経年変化していくものではありますが、どの程度の劣化が起こるか分からないので、採用をためらうことがあるかもしれません。
大理石のデメリットをカバーする方法として、濡れやすい水回りや汚れのつきやすい箇所に使用する場合はワックスを使うこともおすすめです。
ワックスを使うことで質感を損なわずに、天然大理石の色や柄を取り入れることができるので、採用を検討中の方は参考にしてください。
【注意点】大理石へのワックス使用
- 浴槽など、使う場所によってはワックスを使えないこともある
- 大理石専用・大理石に使えるものを選ぶ
- 樹脂コーティングは黄ばみがでることがあるため、おすすめしない
人工大理石・人造大理石へのコーティングやワックスについては大理石のコーティングについてでも解説しているのでも参考にしてください。
大理石の種類
世界で300種類以上あるといわれる大理石ですが、日本で流通している大理石は200種類ほどあります。
原石の採掘が停止になり廃版のようになったり、新しい色柄(新色)が流通したり、種類は年代・時期によって変わります。
たくさんの種類がありますが、選ぶ大理石で印象や使用感は大きく変わってきます。
色・模様(斑点)・キラキラと輝く結晶など、見た目の違いもありますが、吸水率や強度にも違いがあります。
用途や好みに合った大理石を選べるよう、石材を扱う業者さんへ相談しながら決めましょう。
色や柄で悩む場合は、インテリア全体に影響してくるので、まずは色から検討することをおすすめします。
人工物ではないので、同じものは2つとありません。
柄や色のムラも個性と認識して石材を選びましょう。
大理石の産地と名前について
大理石には非常に多くの色や柄がありますが、種類を説明するにあたって欠かせないのが産地の話です。
日本各地にも産地があり大理石の採石はできますが、世界的にみて産出量は少なく、現在流通している大理石のほぼ100%が輸入石材です。
日本での主な産地
福島県・岩手県・茨城県・埼玉県・静岡県・岐阜県・高知県・徳島県・山口県・福岡県など
世界での主な産出国
トルコ・イタリア・スペイン・ポルトガル・ルーマニア・中国など
※そのほかにもアメリカ・東南アジアなど、多くの国から採石されています。
大理石にはさまざまな名前がつけられていますが、産地の名前をとって名づけられていることも多く、世界的に有名な大理石も産地から名づけられています。
産地名のついた大理石の例
- イタリア・トスカーナ州のカッラーラで産出される大理石「カラーラ・ビアンコ」
- ギリシャのペンテリコンで産出される大理石「ペンテリコン」
- ギリシャのタソス島で産出される大理石「タソスホワイト」
同じ丁場(採石する場所)であっても、柄や色の違いで種類を分けていることもあるので、産地の名前だけで決まるわけではありませんが、参考として覚えておきましょう。
ピンクの大理石も!種類と色について
大理石の色は白・黒・ブラウン・赤などが有名ですが、自然の岩でありながら、ゴールド(黄)やピンクといった個性的な色のものもあります。
- 黒い大理石の種類とは
- 色で異なる施工のイメージ例
など、大理石の色についてはこちら≫大理石の色をくわしく解説!ピンク・黒など人気の色を使ったインテリア実例も紹介 でくわしく解説しています。
マーブルとはなんのこと?大理石の模様について
古来から使用されてきた大理石の魅力は、柄にもあります。石灰岩にマグマの熱や圧力が加わって形成されているので、特徴的な柄が出てきます。
- 代表的な柄や模様について
- 御影石の柄との違いとは
など模様についてくわしく解説した記事は近日公開予定です。
建材としての大理石
古くから建築材料として使われた天然大理石ですが、現代の建築物や個人邸宅へも外壁材・内装材として採用できるのでしょうか。
建築(リフォーム・新築)で注意することや、メリット・デメリットをくわしく解説します。
建築に採用した場合のメリット・デメリット
風化しやすい大理石ですが、風化に強い種類を採用したり、風化を経年変化として受け入れ、構造に影響のない範囲では使うこともできます。
大理石を建築で採用するポイント
外壁として使える大理石にはどのような石種があり、内装装飾やインテリア小物として石材を採用したときに印象がどのように変わるのでしょうか。
建築石材としての『大理石』『御影石』の魅力や特徴、注意するポイントは、実はたくさんあります。
注意するポイントのほかにも
- 石材の表面仕上げとインテリア実例
- 『大理石』と『タイル』の違い
など、大理石・御影石を建築石材として考えた時のくわしい解説はこちら≫大理石を建築で採用するポイントを解説! を参考にしてください。
長く愛される大理石の魅力
大理石とは、自然物の沈殿で形成された石灰岩がマグマの熱などで再結晶化した結晶性石灰岩や、その他の堆積岩・変成岩の美しい石を採石し、加工したものです。
酸に弱いため、屋外での使用は向きませんが、独特の光沢感や質感は人工物では再現できない美しさがあり、家具や建材として採用することで住宅の高級感が格段に上がります。
好みや使用ニーズにあった大理石を選ぶために、石材を扱う業者さんへ相談しながら決めましょう。
- 天然大理石は酸に弱く、屋内での使用がおすすめ
- 多くの種類(銘柄)があり、色・柄・吸水率・強度などに違いがある
- 人工物ではないので、柄や色のムラも個性と認識して石材を選ぶ
天然石材の生成には数億年単位の長い年月が必要であり、生物や自然物の化石を残しているものも珍しくありません。
重厚感や色合いだけでなく、太古の時の流れに思いを馳せるロマンもあるのです。
住空間への採用すると、手入れも必要になりますが、貴重な財産でもある天然大理石をぜひ採用してほしいと思います。