- 大理石の色や種類で人気があるものを知りたい。
- 大理石は産地で色が変わる?世界で多く採れる色は?
- 大理石の色で値段が変わる?グレードがあるの?
大理石を使いたい!どんな色があるのかな?
『天然大理石』と聞くと、白を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ベージュ・ブラウン・ピンク・グリーンなどたくさんの色があるんです!
大理石の色・種類が多い理由は『自然にできたもの』だからです。
大理石の原石が数万年~数億年単位かけてできる間におこる変化や、鉱物の違い、金属イオンの違いなど多くの要因があり、何種類もの大理石ができています。
自然のものなので、色ムラや斑点・傷などもあり、同じ大理石でも品質の差でグレードを分けていることがあります。
グレードが高いものであっても色ムラなどがあるので、どうしても完璧な柄合わせにしたい場合などは人工大理石のほうが向いていることもあります。
この記事では、インテリアコーディネーターである私が、大理石(天然大理石)の色について解説します。
内装・インテリアに採用した場合の実例や、ポイントなども紹介するので大理石採用の参考にしてください!
大理石の特徴やメリット・デメリットについてはこちら≫大理石の種類について解説!天然大理石のメリット・デメリットも紹介で解説しています。
大理石といえば白と黒?素材と色について
大理石には多くの色や種類があります。色のちがう大理石を同じ環境で使った場合は、強度に違いがあるのでしょうか。
素材の違いや色について解説します。
建築での大理石とは
建築業界での『大理石』は地質学・鉱物学の認識とちがい、磨いてキレイであれば全て『大理石』と呼んでいるといってもいいほど広くとらえられています。
大理石とは
- 生物の遺骸や自然物が固まってできた岩がマグマの熱で再結晶化した美しい石灰岩
- その他の堆積岩・変成岩の美しい石を採石し、加工したもの
(石灰石・ドロマイト・トラバーチン・オニックス・練乳石・蛇紋岩など)
そもそも多くの石を『大理石』というので、成分・強度・耐熱温度などに違いがあり、色によって強度が大きく変わるということはありません。
強度・耐熱温度などは石種によって異なるので、気になる場合は調べるか、石材を扱う業者さんに確認しましょう。
大理石の色の違い
大理石の歴史的建造物は純白の石材が使われていることが多いのですが、純白以外にも黒・赤・緑など多くのがあり、装飾などに使われてきました。
このような大理石の色の違いは、数万年~数億年単位で生成する過程でおこる化学変化や熱による影響、石に含まれる鉱物の違い、含まれる金属イオンの違いなど多くの要因があり、まさに『自然にできたもの』なのです。
自然が作り出した色合いは人工物では出せない魅力がありますが、珍しい色は希少価値が高く非常に高価になり、在庫の確保が難しい場合もあります。
近い地域で生成された大理石でも成分・色が違うことがあります。
温泉の泉質もそういったことがありますね。
大理石は屋内向きの石材
大理石の主なデメリット
●加工・運搬にコストがかかり高価
●石材の中では吸水性が高く、シミになりやすい
●酸や塩害に弱く、屋外では特に風化しやすい
●冬場に触れると冷たい
大理石の最大のデメリットである風化・劣化をさけるために、雨が多く多湿の日本では屋内で使用することが一般的です。
シミになることもあるので、手入れには手間もかかりますが、天然石である大理石を暮らしに取り入れることは、人工物では出せない魅力があります
天然大理石の魅力
- ツヤ・柄・輝きなどの美しさ
- 質感・重厚感から感じる高級感
- 同じ物は存在しない、一点もの個性
内装に使ったらどうなるかイメージが難しいなぁ
色別の石の紹介とインテリア実例で解説していきますね!
大理石のおすすめの天然大理石の家具・インテリア雑貨はこちら≫Marblestを参考にしてみてください。
『Marblest』は、ヨーロッパから仕入れる良質な天然大理石を、国内で丁寧に加工したダイニングテーブルや、珍しいローズ色の産天然大理石の手元供養ステージなども扱います。
職人によって磨きこまれた大理石は、他の素材にはない上品な風合いが魅力的です。
大理石の色と名前、インテリア実例を紹介
大理石はギリシャのパルテノン神殿など、歴史的建造物に多く使われた『白』をはじめ多くの種類があり、世界には300以上の種類があると言われています。
ここからは色別に一部の石種とインテリア実例をご紹介します。
白い大理石
建築物や彫刻に長く愛用されてきた純白・白の大理石の産地はイタリア・ギリシャが有名です。
明るく清潔感があり、古来から非常に人気の高い石材で、石種が多いことも特徴です。
白地がキャンバスのようで、柄・模様で雰囲気が大きく変わります。
大理石といえばビアンコカラーラのような筋模様のものをイメージする方が多く、大理石の代名詞といえます。
代表的な白い大理石
- タソスホワイト(ギリシャ・タソス島)
- ビアンコカラーラ(イタリア・トスカーナ)
- アラベスカート(イタリア・トスカーナ)
- ペンテリコン(ギリシャ・アテネ)
白い大理石はリビングや水廻りなど、インテリアにおいて一番人気があります。
白い大理石のインテリア
- 白地に黒・グレーの大理石ならではの柄が人気
- 清潔感がある
- 空間の広さを演出できる
- 他の建具・内観装飾に合わせやすい
黒い大理石・濃グレーの大理石
白い大理石のように、歴史的建造物に使われていないイメージがありますが、強度に問題があるわけではありません。
黒い色が時代的に好まれなかったなど、いくつか理由はありますが、近年では白に続いて非常に人気のある色です。
産地はイタリア・スペイン・ベルギーなどが有名です。
代表的な黒・濃グレーの大理石
- グルジオカルニコ(イタリアり・フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア)
- プティグラニ(ベルギー・エノー)
- ポルトロ(イタリア・リグーリア)
大理石の黒は、高級感のある・ラグジュアリーな空間演出に好まれる色です。
柄の少ない大理石は手垢や水垢が目立つことがあります。
黒い大理石のインテリア
- 重厚感・高級感がある
- 鏡面加工の黒い大理石は照明などが映り込み、独特な雰囲気になる
- 空間を『締める』効果があり、シャープな印象になる
- 他の建具・内観装飾に合わせやすい
ピンクの大理石
大理石のピンクはやさしい色合いで、歴史的建築物にも使われてきました。
華やかさと温かみのある演出に人気がありますが、白や黒ほど多くの石種はありません。
ピンクオニキスは透明感のあるピンクが特徴で、天然石のアクセサリーに使用されることもあります。
代表的なピンクの大理石
- オリエントピンク(トルコ・ディヤルバクル)
- ローズオーロラ(ポルトガル)
- ノルウェジャンローズ(ノルウェー・ファウスケ)
- ピンクオニキス(イラン)
多く採石されないピンク色の天然大理石を、床や壁の全面に貼り付けたインテリア事例をみる機会は多くありません。
壁の一部や家具などに採用したり、白い大理石と合わせて使うことでピンクが際立ちオススメです。
ピンク大理石のインテリア
- 天然色のピンクは華やかさ、高級感がある
- やさしい色合いで温かみのある空間演出ができる
- ピンクの中でもベージュに近い色も多く、落ち着いた空間にも採用しやすい
暖色系大理石(茶色・赤・ベージュ)
石材として多い色合いで、石種も豊富な暖色系の大理石を色別に紹介します。
色の濃淡で印象が大きくかわるので注意が必要です。
大理石の定番色といえるボテチーノは人工大理石でも多く採用されている色柄です。
ベージュの大理石
- ボテチーノ(イタリア・ロンバルディア)
- トラバーチン(イラン)
- セルぺジャンテ(イタリア・プーリア)
茶色の大理石
- エンペラドールライト(スペイン・バレンシア)
- エンペラドールダーク(スペイン・ムルシア)
- ロッソレバント(イタリア・リグーリア)
赤・オレンジ系の大理石
- ランゲドック(フランス・オード)
- ロッソアリカンテ(スペイン・バレンシア)
- タピストリーレッド(イラン・エスファーハーン)
暖色系大理石のインテリア
寒色系大理石(グレー・青・緑)
石種が非常に多く、シャープな印象になるため人気があります。
濃淡によって印象が変わり、濃グレー・白系との境界はあいまいになります。
グレーの大理石
- ドゥケッサグリス(スペイン・ナバラ)
- アウリジーナフィオリータ(イタリア・フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア)
- フィオールディペスコカルニコ(イタリア・フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア)
- ヘンリー4世(フランス・ピレネー)
緑の大理石
- インド蛇紋(インド・ラジャスターン)
- 台湾蛇紋(台湾・花漣)
- ティノスグリーン(ギリシャ・ティノス島)
青の大理石
- アズールアクアマリーナ(ブラジル・カショエイロ・ジ・イタペミリン)
寒色系大理石のインテリア
色・インテリア例ともにとても多く、解説しきれないものもあります。
希望の色は日本での入手が可能か、石材をあつかう業者さんか、施工会社に相談してから検討しましょう。
大理石に合う色とは?一点ものの魅力
インテリア、内装に大理石を取り入れるときに色・カラーコーディネートで悩むことがあるかもしれません。
落ち着いた空間・リラックスする空間に使われる色合いでアースカラー(大地や自然の色)というものがありますが、大理石のほとんどがアースカラーです。
建築に使われる木調やコンクリートとも相性が非常によく、インテリア小物とも合わせやすいので、カラーコーディネートという点では失敗が少ないのです。
- 大理石の色は自然が造り出したもので、住空間に合わせやすい
- 色ムラ・濃淡でイメージが変わることがある
- 同じ石種でもグレードで値段が変わることがある
実際に購入するときは注意点もありますが、色ムラや柄からも自然美を感じ・高級感のある空間を演出することができます。
インテリア実例を参考にぜひ暮らしに取り入れる検討をしてみてください。