- 人工大理石・人造大理石のキッチンカウンターに黄ばみができたけど、漂白剤は使ってもいい?
- 水垢がついてしまったけど、クレンザーでこすってもいい?
- キッチンの人工大理石カウンターに汚れ防止の保護シートを使っても大丈夫?
人工大理石のキッチンを使っているけど、掃除方法を教えてほしいな!
人工大理石のお手入れは、ステンレスとは違いますが、難しいことはありません。正しいお手入れでキレイは長続きします。
人工大理石・人造大理石のキッチンカウンター(ワークトップ・天板)は汚れも付きにくく、お手入れしやすい素材ですが、注意する点があります。ネット情報や自己判断で誤った掃除を行い、大理石のカウンターが変色・傷が残ったという事例は珍しいことではありません。
この記事では、10年以上の住宅会社・住宅設備メーカー勤務がある私が、掃除方法をメーカー目線も加えて解説していきます。すべての事例にあてはまるわけでないので、掃除は自己責任・目立たないところで試してから行ってください。
たくさんの人工大理石・人造大理石キッチンがありますが、これを見れば素材を傷めにくい掃除方法がわかります。
まずは大理石のキッチンカウンターの掃除に共通した取り扱いのポイントをまとめます。
- 製造メーカーに問合わせ、材質・掃除方法を調べる
- 中性洗剤+やわらかいスポンジから掃除を始める
- 水滴や汚れを残したままにしない
キッチンカウンターについては、こちら≫大理石のキッチンカウンターについて徹底解説! で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
パナソニックキッチンの『人造大理石』は『人工大理石』より汚れやすい?カウンター素材の違いについて
大理石のキッチンカウンターといっても、天然石・人工大理石・人造大理石と種類があります。くわしい違いについては、こちら≫人工大理石と人造大理石の違いを参考にしてください。
パナソニックの人造大理石、TOTOの人工大理石…掃除方法はどれも同じだよね?
システムキッチンメーカーで名称の違いはありますが、多くが樹脂製であり、耐久性も相違ありません。
樹脂製であれば同じ掃除方法であることが多いので、この記事では一般的に流通している樹脂製カウンターを説明していきます。
人工大理石
- アクリル系・ポリエステル系などの樹脂を成形したもの
【主なメーカー:TOTO・クリナップ】
人造大理石
- アクリル系・ポリエステル系などの樹脂を成形したもの
【主なメーカー:パナソニック・リクシル・トクラス・タカラスタンダード】 - 天然鉱石と樹脂を混ぜて成形したもの
大理石(天然大理石)
- 天然の岩を加工したもの
掃除する上で、まず注意するポイントは天然の鉱石が含まれているかという点になります。
人工大理石・人造大理石には天然の鉱石を含んだものもありますが、名前だけでの判断はできません。天然の鉱石が含まれている場合(クォーツストーンなど)は各メーカーに確認してください。
天然鉱石(大理石)は酸やアルカリに弱く、大理石専用の中性洗剤とスポンジで掃除します。
水垢や落ちない汚れは大理石専用の研磨・クリーニングアイテムでお手入れしたり、専門業者に依頼することもあります。
大理石の研磨について紹介した記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
天然大理石カウンターは石材の専門知識が必要で、くわしい解説はこれ以上できないのですが、次の章からは『掃除するポイント』なども紹介するので、ぜひ読み進めてください。
人工大理石・人造大理石カウンターのキッチンで汚れ(黄ばみ・色素沈着・水垢)を防止するには
人工大理石・人造大理石の表面は固く、耐汚性・耐薬品性があるので扱いやすいことが特徴です。
キッチンカウンターに使われる人工大理石・人造大理石は、加熱調理を行うという特性上、とくに耐熱・耐薬品性が高く作れらているため、浴槽や洗面台と比較すると温度変化・調味料にも強く、あまり神経質にならなくてもよいと言えます。
それでも、毎日のお手入れを誤った方法で続けていくと、ツヤが無くなったり、黄ばみが出たりといったトラブルにつながります。メーカーによっては人工大理石の表面にコーティングをしていることもあり、掃除には注意が必要です。
大理石のコーティングについて紹介した記事もあります。ぜひ参考にしてください。
冒頭でもあげたポイントと一般的な掃除方法を解説していきます。
製造メーカーに問い合わせ、または取扱説明書で材質・掃除方法を調べる
人工大理石・人造大理石には、見た目だけでは分からないことがあります。
天然鉱石が含まれていたり、特殊コーティングをしている場合は、解説する掃除方法が向かない場合があるので、できる限りメーカーに問い合わせてください。
賃貸住宅などで、年代や材質が不明の場合は特に問い合わせをオススメします。
大理石のメーカー比較について詳しく紹介した記事もあるので、ぜひ参考にしてください。
中性洗剤+やわらかいスポンジから掃除を始める
メラミンスポンジやナイロンたわしを推奨しているメーカーもありますが、日常の掃除は中性洗剤+スポンジで充分です。メラミンスポンジなどは落ちない汚れに対して、部分的に使うものなので、中性洗剤で試してから、段階的に掃除をしましょう。
どんな洗剤を使ってもいいの?
人工大理石はお手入れしやすくできていますが、オススメしない洗剤・掃除道具があります。注意してくださいね。
- 塩素系やアルカリ性の洗剤・漂白剤はなるべく使用しない
特に原液や高温で使用した場合、サビや変色(黄ばみ)の原因になります。 - 粒子の粗いクレンザー(研磨材 20%より粗いもの)は使用しない
筋のような傷が入り、黒ずみや黄ばみの原因になります。
大多数のメーカーでクリームクレンザー・液体クレンザーを推奨しています。 - 金属タワシは使用しない
金属タワシの鉄分で、黒ずみ・もらいさびの原因になることがあります。
水滴や汚れを残したままにしない
水あかや汚れは、こまめに拭くようにしてください。
人工大理石のキッチンに色素沈着がおこると落とすことが難しくなります。色の濃い食品(キムチ、カレー、紅茶、コーヒーなど)や布類の染料、またはアルカリ性洗剤などが付着した場合は、すぐに洗い流してください。
赤シソで色素沈着した…という事例もあります。
色の濃い食品・食材は放置しないようにしましょう。
キッチン大理石カウンター(樹脂製)の掃除・お手入れ方法
普及している樹脂製カウンターの毎日のお手入れ・汚れが落ちない場合の掃除方法をくわしく解説します。
人工大理石・人造大理石製のシンクの掃除・お手入れ方法については、こちら≫大理石キッチンの掃除・お手入れ方法を解説!【シンク編】 をを参考にしてください。
ポイントでも解説しましたが、素材やコーティングにはいろいろな種類があり、新商品も出てきます。
解説があてはまらない場合もあるので、はじめての掃除方法は目立たないところで試してから行いましょう。
カウンターの毎日のお手入れ
使った後や、気がついたときに拭きましょう。汚れをためないことを習慣にすれば、おそうじは簡単になります。
毎日のお手入れ
- 固くしぼった布巾などで水ぶきする
汚れている場合
- 台所用洗剤(中性)を含ませたスポンジ・布で汚れを取る
- 水ぶきする
カウンターの汚れがとれにくい場合
人工大理石キッチンカウンターにシミができるようなトラブルは、気がつかないうちに起こります。
台所用中性洗剤で落ちない場合の対処を解説します。
洗剤を使う
- 乾いた汚れ面に中性洗剤を噴きかけてラップ(キッチンペーパーでもOK)で湿布し、10~20程度おく
- 湿布に使ったラップか、やわらかいスポンジでやさしくこすり洗いをする
- 固くしぼった布巾などで十分に水ぶきする
メラミンスポンジを使う
- メラミンスポンジに水を含ませて軽くしぼる
- 乾いた汚れ面をやさしくこする
- 固くしぼった布巾などで十分に水ぶきする
※メラミンスポンジを使った部分の光沢・質感が変わることがあります。
人工大理石・人造大理石キッチンカウンターの『サビ』『水垢』『油汚れ』
メラミンスポンジでも落ちないもらいサビ・水垢・頑固な油汚れなどには、液体クレンザーやクリームクレンザーを使いましょう。薄めた重曹(重曹水)を使ってもいいですが、洗浄成分は必ずふき取りましょう。
同じ樹脂製のカウンターでも、研磨できるカウンターと研磨できないカウンターがあり、濃色系カウンターやツヤ・ワックス加工のカウンターの場合はクリームクレンザーであっても注意が必要です。
研磨できる素材のカウンター
システムキッチンメーカーの人工大理石・人造大理石(樹脂製)の多くは、研磨できる素材(ソリッド)が多く、ユーザーでメンテナンスできるようになっています。
研磨で汚れを落とすことができるので、素材の確認をしてお手入れを行ってください。
※磨いた部分の質感が変わることがあります。メーカーに確認してからの使用をおすすめします。
- メラミンスポンジに水・または液体クレンザー(粒子の細かいもの)を付けてこすり落とす
- 汚れが落ちない場合、スポンジの硬い部分(ナイロンたわし)に水・または液体クレンザーをつけて磨いて落とす
- 布巾などで水ぶきして、洗浄剤を完全にふき取る
濃色系のカウンター、ツヤ・ワックス加工のカウンター
クレンザー類や重曹の使用は、白くなる・ツヤが無くなるなどの原因になるため推奨されていない場合があります
もらいサビなどが付着した場合は、メーカーに対応を確認しましょう。
アルコールは使える場合が多いので、手あかなどが目立つときは清掃用のアルコールスプレーを使ってお掃除することもおすすめです。
※メーカーに確認して行ってください。
濃色系の人工大理石・人造大理石は他の色に比べて、水あか・水しみ・手あか・傷などが目立ちます。
研磨もできない為、水滴や汚れはすぐに拭き取り、汚れをためないようにすることがポイントです。
人工大理石キッチンの保護シート使用について
キッチンの調理台保護シートやシンクの保護シートが市販されています。
『汚れがつくと落とすのが大変』『キレイを保ちたい』といったニーズに合わせたものですが、メーカー推奨ではなく、あまりおすすめしていません。
メーカー勤務時代に実際にクレームになったこともあるので、注意点を確認して、自己責任で使用してください。
- 耐熱温度が人工大理石ほど高くない場合が多く、保護シートの溶け・燃焼の可能性がある
- 人工大理石は紫外線や日常使いで自然と変色・経年変化するが、保護シートの下だけ変化がないとかえって目立つ
- 保護シート下に金属片・調味料・洗剤成分がなどが残ったままになると、もらいさび・シミの原因になる
保護シートを使う場合、毎日保護シートを上げて乾かすなど注意して使用することが必要です
掃除で悩んだときは製造メーカーに確認
人工大理石・人造大理石のカウンターは品揃えが多く、判断に迷うことがあります。
とにかく適した方法で掃除・お手入れをしましょう
ネット情報・口コミで自己流のお手入れをして、メーカーにクレームという例を本当にたくさん見てきました。メーカーに聞くということに敷居の高さを感じている方が多いからだと思います。メーカーでは責任のとれないことに簡単に回答しないという点も、もどかしさを感じます。
それでも、やっぱり人工大理石・人造大理石を造った製造メーカーにしか分からないことがあります。
少しでも不安に感じた時はメーカーに確認しましょう。
- 製造メーカーに問合わせ、材質・掃除方法を調べる
- 中性洗剤+やわらかいスポンジから掃除を始める
- 水滴や汚れを残したままにしない
10年後・20年後のキレイを保つために、日々のお手入れはとても大切です。
忙しい毎日で熱心に掃除する時間がとれなくても、注意点を守って、サッとお掃除するだけで大丈夫です。
毎日のお手入れを無理なく続けていきましょう。
人工大理石・人造大理石のキッチンについてくわしく解説した記事≫キッチンシンクの人工大理石・人造大理石を解説。デメリットやメーカー比較も!も、ぜひ参考にしてみてくださいね。