- キッチンシンク、ステンレスより人工大理石がいいの?
- 人工大理石・人造大理石のキッチンシンクは汚れやすい?デメリットは?
- シンクが硬いと食器が割れないか心配。
近年人気の高まっている人工大理石・人造大理石シンク(人大シンク)。15~20年程前から各住宅設備メーカーで発売されるようになり、基本仕様になってきました。
これから購入を考える方で『物心ついた頃から実家のキッチンが人工大理石シンクだった』という方はあまりいないと考えられます。
人大シンクってなんとなく不安なんだけど…
使い慣れていない素材のシンクを不安に思っていませんか?
この記事では人工大理石・人造大理石シンクが発売された頃に設備メーカーに勤めていた経験をもとに、実例もふまえて、くわしく解説していきます。
シンクに人工大理石を採用することで、後悔しないように参考にしてください。
メリット | ・色のバリエーションが多く、インテリアに合わせやすい ・カウンターとシンクの継ぎ目がなく掃除しやすい ・研磨することで細かい傷やシミを消すことができる |
デメリット | ・ステンレスより硬いため、食器やシンク本体が割れることがある ・紫外線などの影響で変色(黄ばみ)することがある ・ステンレスと比較すると、雑菌が繁殖する恐れがある |
ステンレスと人工・人造大理石の違いについて知りたい人はこちら≫キッチンのステンレスと人工大理石を徹底比較! を参考にしてください。
人工大理石・人造大理石のキッチンシンク、10年後は?
耐久性の気になる人大シンク、実際のところはどうなのかな。
クレームや交換依頼が多発していないか、設備メーカー勤務の人に聞いてみました!
人工大理石・人造大理石のキッチンやシンクは多くの場合が樹脂製です。ステンレスと比較すると新しい素材であるために耐久性は気になります。変色や傷がひどいと採用をためらいますね。
樹脂製(人工大理石・人造大理石)のシンクを基本仕様にするメーカーが増えだしてから15年ほどたちました。悪い製品であれば、当時採用した方から問い合わせや取り換え依頼がくる頃です。
勤めていたらトラブルが多いというのは感覚で分かるものなので、設備メーカー勤務の人に聞いてみました。
A設備メーカー勤務の妹、B設備メーカー勤務の夫、C設備メーカー勤務の友人へリサーもしてみましたが、樹脂製シンクの経年変化で交換したいという依頼が特別多いという印象は無いようです。(個人の感想です。素材に限らず、交換や取替え依頼はゼロではありません。)
紫外線での変色(黄ばみ)はありますが、白→クリーム色のように全体に薄っすらと変化していくので、なかなか気が付くものではありません。
近年、ますます人工大理石・人造大理石シンクの採用が増えたことを考えると充分によい製品といえます。
キッチンカウンターの人工大理石・人造大理石は大理石のキッチンカウンターを参考にしてください。
シンクの人工大理石・人造大理石、その素材とは
メーカーで呼び名は違いますが、アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂を成形したシンクです。
呼び名が違う理由は人工大理石・人造大理石の違いで解説しています。
天然鉱石を含んだものを品揃えしているカウンターとは違い、基本的に樹脂のみで成形されています。
(クォーツと樹脂を混ぜたシンクも一部あります)
カウンターも人工大理石・人造大理石の場合は一体型で出荷されるので、できないこともあります。
- メーカーを混ぜる(A社のカウンターにB社のシンクをつける)
- ステンレスカウンターに人工大理石・人造大理石シンクを継ぎ目無しで取付する
- オーダーキッチン・造作キッチンに継ぎ目無しでシンクを取付する
採用したいシンクがあれば、必然的にカウンターを含め、すべて同じメーカーで決まります。
シンク(人工大理石・人造大理石)のメリット・デメリット
採用が多いからといっても、やはりデメリットはあります。
雑菌の繁殖については、適度にシンク・排水口を除菌することで日常使いには問題ありませんが、頻繁に魚をさばくなど特殊な使い方をする場合は、ステンレスシンクのほうが向いているといえます。
使い方や状況に応じて選びましょう。
シンク(人工大理石・人造大理石)形状・色のメーカー比較
人工大理石・人造大理石シンクを選ぶ場合、形状・色のバリエーションが多いことはとても重要なポイントになっています。
ステンレスは柄やコーティングはあってもシルバーが基本になるため、どうしても水垢も白く目立ってきたり、冷たい感じがしますが、明るい色の人工大理石・人造大理石シンクを採用することで、対面キッチンであっても清潔に見え、リビングになじむ空間になります。
各メーカーで、カラーバリエーションも豊富なので、設備メーカー5社で比較します。
キッチン形状や条件で取付できないシンクもありますが、人工大理石・人造大理石シンクを比較のために並べています。
一部のシリーズでもこれだけの種類があるので後悔しないようしっかり検討して、気になった製品はメーカーHPやカタログで確認してください。
メーカー (キッチンシリーズ) | 形状タイプ・ カラーバリエーション | 価格 ※基本仕様からの差額 |
---|---|---|
TOTO (THE CRASSO) | 3タイプ 10色 | +0~95,000円 |
クリナップ (STEDIA) | 1タイプ 5色 | +30,000~40,000円 |
リクシル (リシェルSI) | 3タイプ 8色 | (バリアコート選択+38,000円) |
パナソニック (L-Class) | 5タイプ 9色 | +0~46,900円 |
トクラス (Berry) | 8タイプ 8色 | +0~24,000円 |
カウンター(ワークトップ・天板)とシンクの継ぎ目
カウンターとシンクの継ぎ目は、大理石カウンターの長年の課題でした。
一見きれいに見えるけれど、裏側からみると黒カビが…ということもよくありました。
その継ぎ目への拒否感は根強いものがあり『絶対にイヤ』と言われ続けてきました。
近年では大半のメーカーで、カウンターと異素材のシンク(大理石+ステンレスシンク)であっても継ぎ目がほとんど無いよう工夫されていて、設備メーカーの執念と思いやりを感じて感慨深いのですが、それでもやっぱりイヤという意見は多いです。
一般的にシステムキッチンメーカーで人工大理石・人造大理石シンクを選んだ場合はカウンターと一体型になり、継ぎ目はできません。オーダーキッチンや造作キッチンの場合は継ぎ目ができることがあるので、しっかり確認しておきましょう。
キッチシンクのコーティングと人工大理石の研磨
気を付けていても、汚れ・傷・シミなどのトラブルは起きてしまうことがあります。
人工大理石・人造大理石シンクのよいところは、こういったときにメラミンスポンジやクリームクレンザーで研磨することで補修ができる点です。くわしくは大理石の研磨・補修について解説!を参考にしてください。
コーティングのある場合は研磨ができません。大きな傷・ヒビや割れの場合も補修が難しく、カウンターごとの交換になることが一般的です。どちらの場合も自己判断せずに、施工会社かメーカーに確認しましょう。
人工大理石・人造大理石のキッチンシンクの注意点
人工大理石・人造大理石のキッチンシンクを10年後、20年後もできるだけキレイに使い続けるための注意点を解説します。
メーカーで異なるので、取扱説明書やHPを確認してから使用してください。
- 熱湯をそのまま流さない
パスタや野菜をゆでる時、ついやってしまいがちな例です。シンクの耐熱温度は100℃程度では問題なく作られていますが、配管を傷める原因になります。お湯を流すときは必ず水を流しながら行ってください。
- 缶類・さび防止処理をしていない鉄器を放置しない
あとで洗おうと、ちょっと置いたまま放置してしまうと、もらいさびがついてしまいます。
近年のキャンプブームで、ダッチオーブンやフライパンなどの鉄器を使う機会が増えたご家庭もあるかもしれませんが、鉄器は驚くほど早くさびが出てきます。シンクに置かずにすぐに洗ってしまいましょう。
- 物を落とさない
耐久性はありますが、陶器やガラスを落とすと食器が割れたり、重いものを落とすとシンクに割れ・ヒビ割れが入ることがあります。できるだけ注意して使いましょう。
- 漂白は『つけ置き時間』を守る
シンクの色が変わったり、劣化を早める原因になることがあります。
漂白剤の使用は短時間で行います。
大理石シンクを掃除・手入れするポイントは?
大理石シンクの掃除は、基本的にキッチンカウンターと同じ方法(中性洗剤+スポンジ)ですが、排水口や排水かごは雑菌の繁殖が多い箇所です。適度に除菌を行うことが清潔に保つポイントです。
- 人工大理石・人造大理石キッチンシンクをキレイに保つポイント
キレイに使うためにできること、毎日のお掃除方法を把握しましょう! - キッチンシンクに塩素系漂白剤(ハイター)を使う場合の注意点
塩素系漂白剤は使える?変色・質感の変化を防ぐために注意するポイントがあります。 - 重曹や酸素系漂白剤、保護シート(汚れ防止マット)について
SNSで見る酸素系漂白剤(オキシクリーン)の使い方についても注意点があります。
人工大理石・人造大理石のキッチンシンクを掃除・お手入れする方法についてはこちら≫大理石キッチンの掃除・お手入れ方法を解説!【シンク編】 を参考にしてください。
キッチンカウンターの人工大理石・人造大理石についてのお手入れ方法は、こちら≫大理石キッチンの掃除・お手入れ方法を解説!【カウンター編】で解説しています。
デザイン性が高く、インテリアの中心になるキッチン
ステンレスと比較すると歴史の浅い人工大理石・人造大理石シンクですが、ステンレスと違う特徴があることを理解して選んでいきましょう。
キッチンは、リビング空間の真ん中に配置されることも増え、デザイン性・インテリアとの調和を重視されることが多いのですが、毎日使うキッチンなので、好きな色にすることも気分が上がるのでオススメです。
- 人工大理石・人造大理石シンクは樹脂製が一般的
- メーカーとカウンター素材が合えば、カウンターとの継ぎ目のないものが選べる
- 研磨で傷やシミの補修ができるシンクが多い
メリット | ・色のバリエーションが多く、インテリアに合わせやすい ・カウンターとシンクの継ぎ目がなく掃除しやすい ・研磨することで細かい傷やシミを消すことができる |
デメリット | ・ステンレスより硬いため、食器やシンク本体が割れることがある ・紫外線などの影響で変色(黄ばみ)することがある ・ステンレスと比較すると、雑菌が繁殖する恐れがある |
解説したメーカーだけでもたくさんの形状・色のシンクがありました。違いを理解・検討することは簡単ではありませんが、家族で現物確認などを行いながら、納得のいくキッチンを選んで大切に使いましょう。