- キッチンカウンターを人工大理石かステンレスで悩んでるんだけど、どう違うの?
- 人工大理石のほうが耐熱温度が高いって本当?
- シンクはステンレスのほうが音が静かなの?
リフォームしたいんだけど、何を基準に選んだらいいの?
キッチンなどの住宅設備って選ぶものが多くて大変ですよね。
買い替え頻度は20年に1度くらいで、新しい情報についていけない…なんてことも良くあります。
この記事では、キッチンメーカーでの勤務経験をもとに、大理石(人工大理石・人造大理石)とステンレスを分かりやすく比較します。
近年はリビング空間に合いやすく、新しい素材でもある人工大理石の採用が多くなっていますが、衛生的で強度もありながら、100%リサイクル可能なステンレスもすばらしい素材です。
しっかり比較して、LDKの中心になるキッチンを選ぶ参考にしてください。
人工・人造大理石(樹脂) | ステンレス | |
---|---|---|
メリット | ・色や柄が豊富 ・耐熱温度が高い(鍋しきの使用は必要) ・小さな傷は研磨で補修できる | ・さび・汚れに強く衛生的 ・傷を自然に再生する性質があり耐久性がある ・再利用可能な金属で環境にやさしい |
デメリット | ・調味料などでシミができることがある ・紫外線により黄ばむことがある ・衝撃により割れ・欠けがおこることがある | ・衝撃によりへこむことがある ・水あかが目立つ ・照明によっては眩しく感じる |
研磨できるカウンターを検討する方はこちら>>大理石の研磨・補修について解説!DIYで研磨できない事例も紹介でくわしく説明しているので、参考にしてください。
素材別カウンターの特徴とメリット・デメリット
キッチンの材質を比較するときに、もっとも検討されるところはカウンター(天板・ワークトップ)です。人工大理石とステンレスには、メリット・デメリットがあるので解説していきます。
種類が豊富でデザイン性の高い樹脂素材、人工大理石
人工大理石・人造大理石カウンターとは、一般的に樹脂を加工して大理石に似せてつくったものです。
材質はアクリル系・ポリエステル系・エポキシ系など様々ですが、合成樹脂を主原料としています。
日本のメーカーも独自で製造していますが、米国デュポン社製のコーリアン®を採用しているメーカーもあります。コーリアン®の材質はメタクリル樹脂です。
2022年現在、材質や耐久性に決まりがないため、人工大理石といっても耐熱温度は220℃~360℃と製品によって差があります。
高級感と清掃性がUPしたハイグレードな人工大理石も製造されていますが、一般的な人工大理石カウンターの解説をします。
メリット (人工大理石) | ・色や柄が豊富 ・天然石と比較すると安価 ・シンクも同素材が選べるので継ぎ目ができない ・耐薬品性・耐熱温度が高く手入れがしやすい(鍋しきは必要) ・小さな傷は研磨で補修できる |
デメリット (人工大理石) | ・調味料などでシミができることがある ・紫外線により黄ばむことがある ・衝撃により割れ・欠けがおこることがある |
キッチン素材として長く愛されている、ステンレス
ステンレスカウンターとは、衛生的で使いやすく環境にやさしいものです
長年厨房機器として採用されてきたステンレスは、衛生的で使いやすいものです。
新しい設備を選ぶとき、変わらない美しさを求める傾向にありますが、ステンレスは木や皮などのように、ある程度の経年変化を受け入れる材質だと思ってください。
ステンレス自体の耐熱温度は高いのですが、膨れなどが起こることがあるので、キッチンで使う場合の耐熱温度は200℃程度となるため、鍋しきは必要です。
メリット (ステンレス) | ・シンクも同素材が選べるので継ぎ目ができない ・さびや汚れに強く手入れがしやすい ・傷がついても自然に再生する性質があり、耐久性がある ・再利用可能な金属なので、リサイクルできる |
デメリット (ステンレス) | ・物を落とすとへこむことがある ・大きな傷は消すことができない ・水あか・傷が目立つ ・照明によっては眩しく感じる |
キッチンシンクの人工大理石・ステンレス比較
キッチンのシンクは主に人工大理石・ステンレスの2種類です。
素材の違いはカウンターと同じですが、シンクの方が汚れ・水あかがつきやすいため、コーティングしたシンクを品揃えしてていることがあります。
ステンレスシンクは水音が響くことがありましたが、現在は静音シンクが主流となっており、水音が響くというトラブルは少なくなりました。人工大理石・ステンレスにかかわらず、対面キッチンなどリビング空間にあるキッチンの場合はシンクが静音タイプになっているか確認しましょう。
リビング空間にある場合、テレビや会話への配慮のため静音が重視されています。
人工大理石シンク | ステンレスシンク | |
---|---|---|
メリット | ・色が豊富 ・水あかが目立ちにくい ・家具のような見た目でリビングになじむ | ・食器にあたる感触が柔らかく使いやすい ・汚れが染み込みにくい ・漂白剤などにも強く、手入れがラク |
デメリット | ・硬いので食器はやさしく置く必要がある ・黄ばみなど変色することがある ・硬いものを落とすをとシンクが割れることがある | ・水あか・傷が目立つ ・硬い物を落とすとへこむことがある |
キッチンメーカーと人工大理石・ステンレスの費用
人工大理石のほうが高価なイメージがありますが、ステンレスもタイプ(柄)で価格は変わってきます。
多くのメーカーで、エンボス・バイブレーションの2タイプがあり、バイブレーションになると人工大理石のハイグレード品と同等の価格になるため、単純にどちらが高価とはいえません。
価格はシリーズや長さ・形で変わるので、I型2550㎜・素材のみで価格の比較してみます。
比較がしやすいように、設備メーカーのシステムキッチンをまとめました。
人工大理石 カウンター | 人工大理石 シンク | ステンレス カウンター | ステンレス シンク | |
---|---|---|---|---|
クリナップ (STEDIA) | 11色 +60,000~185,000円 | 5色 +30,000~40,000円 | 5タイプ +0~155,000円 | 1タイプ (美・コート) |
LIXIL (リシェルSI) | 8色 +0~207,000円 | 8色 (バリアコート選択+38,000円) | 2タイプ +0~207,000円 | 1タイプ (デュアルコート選択+40,000円) |
TOCLAS (Berry) | 14色 +0~131,300円 | 8色 +0~24,000円 | ー | ー |
TOTO (THE CRASSO) | 14色 +0~374,000円 | 10色 +0~95,000円 | 2タイプ +0~119,000円 | 1タイプ (ラクピカコート選択+38,000円) |
Panasonic (L-Class) | 22色 +0~362,300円 | 9色 +0~46,900円 | 3タイプ +0~258,200円 | 1タイプ (ささっと仕様選択+42,500円) |
差額なしで人工大理石・ステンレスを選択できるメーカーも多いのね
人工大理石とステンレス、結局どっちを選ぶべき?
くわしく解説してきましたが、人工大理石とステンレスのどちらを選ぶべきかは使う人の好みになってきます。
それぞれの特性を理解して、自分にあった素材を選びましょう。
人工大理石(樹脂) | ステンレス | |
---|---|---|
衛生面 | 〇 | ◎ |
色・柄 | ◎(多い) | △(少ない) |
耐熱温度 | 〇(220℃~360℃) | 〇(~220℃) |
研磨での修復 | 〇(できるものが多い) | ×(できない) |
シミ・変色 | 〇(長く置くと変色の可能性) | ◎ |
水あか | 〇(色によるが目立ちにくい) | △(目立つ) |
へこみ | ◎ | △(へこむことがある) |
割れ・欠け | △(割れることがある) | ◎ |
リサイクル | △(リサイクル率は低い) | ◎ |
対面キッチンがふえてきたため、家具と相性のよい人工大理石が選ばれることが多いのですが、ステンレスもスタイリッシュな雰囲気になり、天然素材との相性がとてもよいものです。
- 人工大理石は家具に合わせやすく、研磨で修復できるものが多い。
- 価格はそれぞれのグレードで異なる。
- ステンレスは傷がついたりへこんだりするが、経年変化を受け入れる。
迷った時はショールームなどで展示品の確認をしながら、家のイメージや使い方にあった素材を選びましょう。